社会人になると、学生時代には経験しなかったような様々な壁にぶつかりますよね。仕事の難しさ、人間関係、そして何よりも自分自身の未熟さに直面する日々。今回は、筆者の友人が社会人1年目のころのエピソードを聞かせてくれました。
キャパオーバー寸前の毎日
入社1年目の私は、厳しい上司の指導についていくのが精一杯でした。
上司の指導はいつも的確で、決して理不尽なものではありません。
筋も通っているし、私が成長するために必要なことだと頭では理解していました。
けれど未熟だった当時の私には、次々と飛んでくるダメ出しが、自分を否定されているように思えて、心はどんどん疲弊していくばかりでした。
毎日が綱渡りのようで、常に漠然とした不安を抱えていたのです。
まさかの誤送信! 血の気が引いた瞬間
ある日のこと、ついにストレスがピークに達した私は、仲のいい同期に愚痴を聞いてもらおうと、休憩時間に社内メールを開きました。
「上司の指示が細かすぎて無理」などと、日頃の鬱憤を書きなぐり、勢いそのままに送信!
しかし、何気なく送信済みのメールに目を通した瞬間、全身から血の気が引いていくのが分かりました。
送信先が、同期の名前ではなく、「全社員メーリングリスト」になっていたのです。
頭の中は真っ白になり、心臓がバクバクと暴れるのを感じました。
上司の「神の一言」
すぐにオフィスがざわつきはじめ、小声や笑いをこらえる声があちこちから聞こえてきます。
背中に無数の視線が突き刺さり、私の手のひらには冷たい汗がにじみました。
「終わった……もう会社にはいられないだろう」と絶望したそのとき、張本人の上司が席を立ち、静かに私を見て、「ちょっとこっち来い」と一言。
凍りついたようなフロアの中で、私は俯いたまま上司の席まで行きました。