多くの女性が憧れる玉の輿。しかし、現実は、高収入の男性と結婚したからといって、思い描いているような裕福な生活を営めるとは限りません。
夫婦で使うお金とはいえ、自分の稼ぎではない以上、お金の使い道は相手に主導権があることが多いですよね。今回は、大学時代からお付き合いしている男性と結婚した、筆者の友人A子のエピソードを紹介します。

ラグジュアリーが大好きなA子 結婚相手に求めるものは「経済力」

私の友人A子は学生時代からブランドや海外旅行が大好き。おしゃれな洋服に身を包み、ステキなレストランで食事をしていて、“人生楽しんでいるな”と友人としてうらやましくなることも少なくありませんでした。

しかし、彼女はお金をふんだんに使うわりには、自分で稼げるようになろうという気持ちがあまりないように見えます。

学生時代、都内トップクラスの私立大学に在籍する3歳上の彼氏をゲット。彼は卒業後、大手企業に入社。一方、彼女は仕事に意欲的とは言いがたく……。とはいえ、社会人になっても二人の関係は継続し、A子は大手企業勤務の彼と結婚できました。

彼は20代後半にして年収が1000万円を超えているそうで、A子はこの事実を知ったときにおどろいたといいます。

お金の使い方はそれぞれ……仕事の苦労を知っているからこそ無駄遣いしたくない

A子は20代にして世帯年収1000万円オーバーとなったものの、思い描いていた暮らしはできません。というのも、彼は努力家で、勉強熱心。それでいて、堅実です。彼は真面目な性格が高く評価され、大手企業に入社し、若くして重要な仕事を任せてもらっているといっても過言ではありません。また、高年収の仕事というのは一般的にハードですが、彼は残業をこなしたり、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら歯を食いしばっています。

こうした事情もあり、A子の夫は給与を贅沢品に湯水のように使うことは好みません。記念日には高級レストランを予約してくれたり、女性目線で数万円のバッグを買ってくれたりするものの、日常的に高級レストランで外食をしたり、バッグ1つに50万円支払ったりすることには違和感を覚えるようです。

A子との将来を考える彼、その気持ちに気付かないA子

彼が節約志向なのもA子を愛する気持ちがあるためです。都内での生活はお金がかかるし、子どもができたら大手企業勤務でも贅沢ばかりしていられないことを分かっています。また、現在の仕事はハードであるため、いつまで働けるかも分からない……。だからこそ、今のうちにお金を貯めておきたいと考えています。

一方、A子は夫の想いを汲み取れず、「ケチ」だとか「せこい」とか言いたい放題です。先日も、「ボーナス100万円ももらったのに、なんでこれくらい買えないんだろう~!」と嘆いていました。

リッチな暮らしを望む場合、他人の稼いだお金に依存するのではなく、自分で稼ぐ力を身に着けることが大切だと改めて思いました。自分で稼いだお金であれば、家族がいても自由になる部分も多いはず。人の稼いできたお金については使い道を家族といえども、なかなか口出すことはできないものです。

また、年収1000万円は世間的にもリッチな部類。しかし、早朝勤務や深夜帰宅に備えてオフィス付近の家賃が高いエリアに住み、なおかつ子どもを授かれば、給与が十分に余るわけではないのが現状です。

優しい彼と結婚できたA子には自分の考えを見直してもらいたいと、友人だからこそ思います。

【体験者:30代・会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。