なかなか着る機会がない着物での晴れ姿、楽しんでほしいと願うばかりですが、そうもいかない事情があって……? 今回は筆者の体験談をお届けします。
七五三のお祝い
娘が7歳の七五三を迎えるにあたり、昔和裁を習っていたという義母から、着物の着付けをしたい、と申し出がありました。
そしてやって来た七五三のお参り当日。義母は久しぶりだという着付けに悪戦苦闘しながらも、娘を可愛らしい着物姿に仕上げてくれました。
素人の私から見ると綺麗に見えたのですが、義母は完成直後から、
「あ~、あそこをもっとこうしたらよかった、これじゃあ失敗だ」
と納得いかない様子でした。
しかし直す時間もなかったので、そのまま神社に向かい、お参りと御祈祷を受けることに。
いつまでも言い続ける
義母は神社に向かう車中でも、神社に着いてからも、ずっと浮かない顔で、
「ぜんぜんうまくできなかった、失敗だね」
とマイナスなことをぶつぶつと言い続けています。
そんなことないですよ、と伝えますが心ここにあらず。
義母は自分の失敗を責めているようですが、ずっとこの調子だとこちらまで責められているような、とげとげした気持ちになりました。
娘もせっかくの晴れ姿を失敗だ失敗だと言われ続け、自分が悪いと思ったのか顔が曇ってしまい……。
最後まで言い続ける
このままではお祝いの日がいやな気持ちのまま終わってしまう!
私は義母に、
「着付けがうまくいかなかったのは分かりましたから、せめて娘の前で否定するようなことを言わないでもらえますか?」
強めに言ったところ娘の前では言わなくなりましたが、結局最後まで納得がいっていない様子でした。
あれから数年経ちますが、思い出すと今でもモヤモヤする出来事です。
義母の自己批判は自己満足かもしれませんが、その言葉が娘の思い出を傷つけることを、義母には理解してほしかったです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。