親戚の集まりで、久しぶりに会話を交わした人との間に出てきた「2人目は考えてないの?」。その瞬間、胸の奥がチクリと痛んだ友人。曖昧に笑ってやり過ごそうとしましたが、その場を救ってくれたのは、意外な人物の一言で……。

ふいに飛んできた“お決まりの質問”

親戚の集まりに出かけた時の事。

久しぶりに顔を合わせて「大きくなったねぇ」なんて話していたのも束の間、開口一番に言われた言葉は、

「2人目は考えてないの?」

でした。

私はため息をつきました。まだこんな事を聞いてくる人がいるんだな、と。

夫婦で何度も話し合った「2人目」の事

私と夫は一人っ子同士。共働きで、今は息子を育てる事に精一杯。

兄弟がいたら……と思う事がないわけではありませんが、年齢や仕事の事を考えると現実的ではなく、その事は夫婦で何度も話してきました。

それでも、誰かに尋ねられると胸の奥がチクッとします。

事情も背景も知らない相手から「2人目は?」と軽く聞かれると、どうしてこんなに苦しい気持ちになるのだろうと思ってしまいます。

私はその不快さを隠すように「いやぁ、あはは」と曖昧に笑って、話をはぐらかしました。

するとその場で、思わぬ人物が口を開いたのです。

まだ4歳の息子でした。

モヤモヤを破ったのは、まさかの人物

「ぼくは一人っ子がいい! お父さんとお母さん3人家族なんだから!」

……その言葉に場が一瞬しんと静まり返りました。

親戚も、まさか子ども本人が答えるとは思っていなかったのでしょう。

やがて「そうかぁ」と笑いながら話題を変えてくれました。

私は驚きと同時に、息子に心から感謝しました。

あの場を和ませてくれたのは、私でも夫でもなく、息子の言葉。

“2人目は?”と聞かれるたびにモヤモヤしてきた私ですが、その瞬間、気持ちが軽くなりました。

確かに私たち家族は、この形で十分に幸せなんだと、息子に教えられたのです。
この出来事をきっかけに、『2人目は?』と聞かれても、曖昧に笑ってごまかすのではなく、胸を張って『私たちはこの3人家族で、十分に幸せなんです』と答えられるようになりました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。