ベルト付きワンピースを購入
Wさんは当時会社員で、友人と旅行に行くときに着ていく洋服を買いに、車で一時間ほど走った先にある大きなショッピングモールへ買い物に行きました。
「このワンピースかわいい!」
たくさんの店を回る中でWさんが目をつけたのは、ベルト付きのおしゃれなワンピース。とても上品でスタイルが良く見えるデザインに一目ぼれし、試着してみることに。
「わあ、ぴったり!」
試着してみるとサイズもWさんにぴったりでした。
「このベルトがポイントなんですよね、とてもよくお似合いです」
店員さんにも褒められ、Wさんはご満悦。お値段も手ごろだったので購入することにしました。
「新しいものをお出しします」
ワンピースをレジに持っていくと、接客してくれた店員さんがバックルームから新しいものを出してきてくれ、レジにいた別の店員さんがそれを包んでくれました。
そしてWさんは帰宅し、ワクワクしながら服屋さんの袋を開けました。
「あれ、ベルトが入ってない!」
なんと袋の中に入っていたのはワンピースのみで、ベルトが入っていないのです。
お店に電話してみると……
「あのー、先ほどそちらで服を購入したのですが……」
Wさんがお店に電話をかけると、電話に出たのはWさんの接客をしてくれた人ではなく、レジを担当してくれた人でした。
そこで購入した時間帯と付属のベルトがないことを伝えると、
「あー、ベルト、レジに落ちてました」
「入れ忘れちゃったみたいなんで、取りに来てもらえますか?」
店員さんからは謝罪の言葉もなく、ぶっきらぼうにそう告げられました。
入れ忘れは店員さんのミスなのに、「申し訳ございません」の一言もないのでさすがのWさんもムッとしてしまいましたが、ここで怒ってはいけないと丁寧にこうお願いしてみたのです。
慌てず丁寧に
「すみませんが、家からお店が車でも一時間掛かる場所にあるんです。事情があって近々この洋服を着たいのですが、なかなかそちらへ行くことができません」
「できれば郵送していただくことはできますか?」
すると電話越しから「......少々お待ちください」という声が。
しばらくすると店長に電話が代わり、そこで再度事情を話すと、丁寧な謝罪とともに、ベルトを郵送してもらえることになったそうです。
店側のミスにも関わらず、お客さんに横柄な態度をとってしまった店員さんはよくなかったかもしれません。
しかし、Wさんの丁寧な対応と、店長さんの真摯な態度が功を奏し、穏便にトラブルを解決出来たエピソードとなりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。