夫の怪しい行動
あの頃の私は、毎晩モヤモヤとした不安に包まれていました。夫の帰宅時間がどんどん遅くなり、深夜は当たり前、時には朝方に帰ってくることもあったのです。
夕食は毎晩用意していたのですが、それも食べてもらえず、結局次の日の私の昼食になっていました。結婚当初は「Yの料理は世界一美味しい!」と絶賛してくれていたのに......。
しかも帰宅した夫は、妙にさっぱりとした顔。まるでどこかでお風呂に入ってきたような気配すらありました。そんな姿を見てしまったら、「もしかして浮気?」と疑わずにはいられず、いつも胸の奥に重苦しさを感じていました。
真実を知りたい一心で
考えれば考えるほど、疑念は膨らみます。夫を問い詰めようとしても「仕事が忙しい」の一点張りで、はぐらかされてしまいます。
私は、意を決して探偵に調査を依頼しました。費用は痛い出費でしたが、それでも真実を知ることのほうが大事だと思ったのです。
報告を待つ数日間、私は最悪の場面──夫が女性と腕を組んで歩く姿を何度も想像していました。
まさかの調査結果
そしてついに届いた調査結果。
私は震える手で報告書を開きました。
ところが、そこに書かれていた内容は私の想像とはまるで違うものでした。
夫が立ち寄っていたのは「女性の家」でも「ホテル」でもなく……なんと夫の実家。
そこで義母の手料理を食べ、満腹になってから帰宅していたのです。あれだけ疑っていたのに、浮気の影も形もなし。しかし、私の気分は重苦しいままでした。
苦い結末
もちろん「なぜ隠していたの?」と夫を問い詰めました。
夫はバツが悪そうに「母さんのご飯が恋しかった」「Yのことも好きだけど、俺は母さんともっと一緒にいたかった」と白状しました。
その言葉に怒りと呆れが入り混じりました。秘密を共有していた義母への不信感も残りました。
結果的に、夫婦関係は修復できず、私は離婚を選ぶことになりました。浮気ではなかったけれど、信頼を失い、関係を修復できなかったのです。
【体験者:40代、女性、会社員 回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。