大好きな人と過ごした思い出は、ずっと心に残り続ける宝物になります。
認知症になった筆者の祖母は、孫の顔や名前を忘れてしまいましたが……
今回は筆者が祖母の施設に面会に行った時の出来事です。

大好きな祖母

私の母方の祖母は、85歳を迎えた辺りから認知症の症状が見られ、そこから緩やかに進行、数年後には自分の子供たちのことも分からない状態になりました。

そんな時期に施設への入所も決まり、結婚前の私は折を見て祖母に会いに行っていました。
おそらく私が孫だということは分かっていなかったと思いますが、面会に行くといつもにこにこと嬉しそうにしてくれました。

その後結婚と共に地元を離れたため、今までのように会いに行くことは出来なくなりました。
やがて娘を出産、生後半年の頃帰省したタイミングで、祖母に会いに行くことに。

会うのは約2年ぶりです。

久しぶりに見た祖母は自力では歩けなくなっていました。
「ばあちゃん、見て、私の子供だよ」
私は椅子に座っている祖母に娘を差し出しました。