その一言とは何だったのか、ご紹介します。
息子が1人
私には、息子が1人います。
成人した息子は結婚し、孫も誕生。息子の嫁はとても良い人で、姑である私に親しく接してくれ、良い関係を築けていました。
ある日のこと、私は嫁に渡したいものがあり、たまたま息子夫婦の自宅近くにいたのでアポ無しで訪問することに。
普段息子の家を訪ねる時は、必ず前もって連絡を入れていたのですが、その日は突然訪問してしまったのです。
昼食を食べていた嫁と孫
家のチャイムを鳴らすと、嫁は突然の訪問に少し戸惑いながらも、笑顔で出迎えてくれました。お昼時だったので、嫁と孫は食事中だったようです。
「これ渡したかっただけだから、上がらないで帰るわね」と私は言いましたが、「お茶だけでも飲んでいってください!」と嫁が引き止めてくれたので少しだけお邪魔することに。
部屋に上がり、食卓を見ると嫁と孫の食事が並んでいました。その食事というのが素うどんのみ。
それを見た私は、なんとなく「あら、お昼素うどんだけ?」とつい口走ってしまったのです。
それを聞いた嫁は、さっと顔色を変え無言に。
態度もよそよそしくなり、気まずくなった私も早々に帰りました。
友人の一言で昔の記憶がよみがえる
後日、30年来の友人にこの出来事を話しました。
「あれ以来、お嫁さんの態度が冷たくてね……」と言う私に友人は、「それはあなたが悪いわよ!」と少し呆れ気味。
友人は、「昔、育児や家事で忙しかったころ、とりあえず子どもにおにぎりだけ食べさせていたら、お姑さんに『それだけしか食べさせてないの?』って言われたことあったでしょ?」と言いました。
「あなたは、『普段はちゃんと食事を作っていたのに! たまたまおにぎりしか用意していない日だったのよ』って悔しがってたわよね。お嫁さんもきっと毎回ちゃんと作っているのよ。それなのに、たまたまそんな日にあなたが行ってしまっただけ」
友人にそう言われ、私はその出来事を思い出しました。
言われた瞬間の感情も鮮明に思い出したことで、なおさら嫁に言ってしまった一言を猛反省したのです。
謝ると嫁は……
後日私は、嫁に「昔自分も同じようなことを姑に言われて嫌な気持ちになった」と話し謝りました。
それを聞いた嫁は「お義母さんも、そんな経験していたんですね」と笑い、許してくれました。今はまた親しく付き合ってくれています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。