家事に協力的なところがはじめは好印象だったはずの夫。
でも、いつしか“上から目線”の発言ばかり気になるように──。
限界を迎えた妻がとった静かな作戦とは?
今回は筆者の友人から聞いた、夫婦の家事分担にまつわるエピソードをご紹介します。

上から目線の夫

共働きの我が家では、家事は分担制。

夫も苦手と言いつつもよく手伝ってくれるほうなので、助かっていました。

ただ、いつからか夫の“チクチク言葉”が気になるように……。

「洗い物なんて溜めて一気にすれば早いのに」
「はあ~洗濯物もいちいち畳んでいたら効率悪いよ」

食器を使ったまま放置するのは衛生的に気になるし、洗濯物もぐちゃぐちゃのまましまったらシワがつくのは明確。

それを伝えてもイマイチ理解してくれず、
「俺がいないと家事回らないでしょ」
とまで言って私を馬鹿にしてきたのです。

家事ストライキ

確かに分担してくれていることはありがたいのですが、どうしても“手伝ってあげている”感がにじみ出ていた夫。

そんな態度についに限界がきて、私は無言の“家事ストライキ”を決行しました。

ある日を境に、家事に関しては最低限のことしかしないように。

料理はレトルト、掃除も洗濯も後回し。私は家事に一切ノータッチになってみたのです。

初日こそ文句を言っていた夫だったものの、夫流の家事ではどんどん洗い物が溜まり洗濯物もシワだらけで、部屋も散らかっていく一方。

3日目の夜、ついに、
「何かあった?」
「俺何かしちゃった?」
と聞かれました。

反省

「私のやり方が気に食わないなら、あなたが全部やってくれればいいじゃない」
「一生懸命頑張っているのに文句ばかり言われて辛かった」

そう正直に伝えると、ハッと気づいた表情で黙り込む夫。

「そんなつもりじゃなかった」
「悪かった」
とようやく反省してくれました。

それから夫の態度は急変。

私の家事のやり方に対して口を出す前に、
「ありがとう」
と言うようになり、指摘もやんわりとした提案に変わったのです。

感謝を伝えよう

パートナーの家事に対して意見を言うこと自体は悪くありませんが、その前に感謝と敬意が必要だと、夫もようやく気づいたようです。

この経験を通して、我慢せずに伝えることの大切さを痛感した私。

夫婦は上下関係で成り立っているものではなく、あくまで対等な関係であるべきだ、と改めて思った出来事でした。

【体験者:30代・女性公務員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。