「もしかして不倫かも?」と不安に駆られて問い詰めた妻に返ってきたのは、まさかの答えでした──。
今回は筆者の知人から聞いた、夫婦の信頼関係にまつわる衝撃的だったエピソードをご紹介します。
謎の音
夫とは結婚して十数年。
2人の子宝にも恵まれ、夫婦関係も良好で特に喧嘩もせず穏やかに過ごしてきたつもりです。
でも、あるときから深夜になると夫の書斎から“カチカチ”という謎のキーボード音が聞こえるように。
ドアが開いていたこともあり、その音が寝室まで響いてきてなんだか眠れずイライラしていました。
『こんな時間まで何やっているのかしら?』
『私に内緒にしているみたいだけど、やましいことでもあるの?』
そんな不安が拭いきれなくなった私。
ある晩ついに、そっと覗いてみたのです。
すると、夫はまさか気づかれているとは思っていなかったようで、私の姿を確認するや否や、慌ててパソコンをサッと閉じたではありませんか!
問い詰めると?
「ゲームじゃないよね、仕事?」
「もしかして不倫しているの!?」
と夫のあまりの焦り具合に、思わず問い詰めてしまった私。
すると、しばらくの沈黙ののち、
「実は副業していた」
と夫から白状されたのです。
驚く私に、夫はこう続けました。
「軌道に乗ってから話そうと思っていた」
「変に期待させても、まだ何も稼げてないからさ」
夫の想い
詳しく聞くと、得意なプログラミング技術を活かし、小さなシステムを受注していたとのこと。
「老後のことや子どもの学費が不安で」
と語る夫を見て、私は初めて、彼が私とは違う形で“家族を守ろう”としていたことに気づきました。
確かに、来年中学生になる双子の娘たちは、私立の中学校に通う予定。
家も建てようと話しているので、お金のことが気になる気持ちも分かります。
ただ、正直に話してほしかったという思いも消えません。
だからこそ、翌日改めて2人で話し合い、家計の見直しや将来設計について何でもオープンに話すよう約束しました。
共有しよう
この出来事から学んだのは、家族の将来に不安を抱えているのは、私だけではなかったということ。
そして、その不安の向き合い方も人それぞれだということです。
夫婦とは、情報や不安を“共有”することで初めて、チームになれるのだと気づかされた夜でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。