金髪に制服を着崩した女子高生。
通勤電車で音漏れを注意されたのですが、彼女が返した“意外なひと言”に、車内の空気が一変しました。
今回は「見た目で勝手に判断していたことを反省したの」と筆者の知人が話してくれた、電車内での心温まるエピソードをご紹介します。

音漏れ

ある朝の通勤電車内での出来事です。

いつものように静かな車内だったのですが、突然大きな音楽が聞こえてきました。

その音の先にいたのは、金髪で制服を着崩した女子高生。

Bluetooth接続を使ってイヤホンで音楽を聴いているようだったのですが、うまくできていなかったのか、スマホからはっきりと音が漏れていたのです。

メタル系のような曲で、激しめの音楽に車内が困惑した雰囲気に包まれていました。

注意すると?

すると向かいの席にいた60代くらいの男性が、彼女に向かってやさしく声をかけてくれました。

「ちょっと音、大きいかもね」
「ごめんね、気になっちゃって」

女子高生は一瞬、目を見開いて男性を見つめていました。

私の勝手な先入観ですが、てっきり無視か反発するのかと思った私。

でも、予想に反して彼女はすっとイヤホンを外し、素直に謝罪したのです。

「えっ、すみません!」
「全然気づいていなかったです」

素直な女子高生

そして数秒後、少し照れたように笑いながらこう続けました。

「むしろ教えてくれて助かりました」
「ありがとうございます!」

その言葉を聞いて、車内がフッと和んだのを感じました。

謝罪に加えて彼女が発した感謝の言葉に、注意した男性も周囲の乗客も笑顔になっていたのです。

その後、彼女はイヤホンがスマホと繋がっているかしっかり確認したうえで、音量を下げて音楽を再開。

改めて彼女をよく見ると、きちんとした姿勢で背筋をピッと伸ばして座っている姿がとても好印象に映りました。

反省

“派手な見た目の高校生=マナーが悪い”、そんな思い込みを軽やかに裏切ってくれた出来事でした。

『見た目だけで人を判断してはいけない』と自分の愚かさに反省した私。

そして、謝罪だけでなく感謝も伝えられる素直さが、とても素敵だなと感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。