これは筆者自身の体験です。
4歳の息子に毎日のように「何で片付けないの?」と怒っていた私。ところが祖母の家では、自分から楽しそうにおもちゃを片付ける姿がありました。その様子をきっかけに、声かけひとつで子どもの行動が大きく変わることを実感させられた出来事です。

息子の片付けに毎日イライラ

「何で片付けないの?」「また散らかして……」
4歳の息子に、私は毎日のように怒っていました。おもちゃを出しっぱなし、ご飯の前も寝る前も片付けは結局私の仕事。注意しても「あとでやる〜」とごまかされ、つい大きな声を出してしまう。怒ったあとに自己嫌悪になる日々が続いていました。

祖母の家で見た意外な一面

そんなある日、息子を祖母の家に連れて行ったときのこと。驚いたことに、あれほど片付けを嫌がっていた息子が、自分からおもちゃを片付けていたのです。「えっ、どうして?!」と思わず祖母に聞くと、笑いながらこう答えました。
「命令されると大人でも嫌でしょ? 『片付けなさい』じゃなくて、『バァバとどっちが早く片付けられるかな?』ってゲームみたいにしたのよ」
楽しい雰囲気にしただけで、息子は進んで片付けをしていたのです。

叱るより「楽しく」が効果的

その言葉に私はハッとしました。思えば、自分だって上司に命令口調で言われたら嫌な気持ちになるし、怒鳴りたくて怒っているわけでもない。息子が片付けをしないのは「反抗」ではなく、「つまらないから」だったのかもしれません。そこで私は声かけを見直すことにしました。「早く片付けなさい!」ではなく、「ママとどっちが早いか勝負しよう」「このおもちゃはどこのお家かな?」と遊び感覚で促してみたのです。

小さな工夫が子育てを変える

すると息子は笑いながら片付けを始め、「できたー!」と誇らしげに報告してくれるようになりました。怒ることでも、強く言い聞かせることでもなく、必要だったのは「一緒に楽しむ工夫」だったのです。毎日怒ってばかりでは、親も子どもも疲れてしまう。子育てに必要なのは、ほんの少しの言葉の工夫と心の余裕なのだと気づかされました。
同じように悩んでいるママたちへ伝えたいのは、「言い方ひとつで子どもの反応は大きく変わる」ということ。怒る前に、まずは笑顔で声をかけてみる。小さな気づきですが、それだけで子どもとの時間がぐっと楽しくなるのだと感じた出来事でした。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。