義母が「その加湿器ちょっと貸してね」と言ったことから始まった出来事。最初は軽い気持ちで貸していたHさんでしたが、次々と家の物を“持ち帰られる”うちに、モヤモヤが募っていったそうです。
義母の「ちょっと貸して」が始まり
ある日、義母がHさんの家に遊びに来たとき、「その加湿器、音が静かでいいわね。ちょっと貸してくれない?」と気軽に言ってきました。それがHさんのモヤモヤの始まりだったそうです。義母は遊びに来る度便利そうなものを見つけては「使ってみたいのよ〜」と持ち帰って行きました。加湿器、ホットプレート、ピーラー、さらにはちょっといいエコバッグまで。「また今度持ってくるからね」と言うものの、返却された試しはほとんど無かったそうです。
頻度が増える度にストレスも増加
最初は「まあ使いたいならいいかな」と思っていたHさん。しかし、それが当たり前のようになっていくにつれ、ストレスが溜まっていきました。何より嫌だったのは、「持ち帰るのが当然」という空気が漂っていたこと。義母も悪気なく言っているのは分かるものの、毎回生活用品が減っていく度に複雑な気持ちになったと言います。Hさんは「子どもにも我慢させることになってしまうし、家族だからこそ線引きが必要なんだと痛感した」と話してくれました。
決定打はサーキュレーター事件
そして決定的な出来事が起こったのは、夏の帰省時。Hさんが子どものために持参したコードレスのサーキュレーターを義母が見つけると、「最近寝苦しくてね、これちょっと使わせてもらえる?」と、当然のように使おうとしたのです。Hさんが「それ、うちで毎日使ってるんだけど……」と困った顔をした瞬間、夫がようやく間に入り、「母さん、それは生活必需品だから持って行かないで」と止めてくれました。義母は「あら、そんなに大事だったの?」と笑っていましたが、Hさんの中では「もう無理だ」と気持ちが固まったそうです。
家族だからこそ必要な線引き
その後、夫婦で話し合い「家の物を勝手に持ち出させない」ことをルール化し、義実家にも「必要なものがあれば教えてください。こちらで探します」と伝えるようにしました。義母は少し不満そうだったものの、しばらくすると自然にそのスタイルが定着。Hさんは「家族だからこそ遠慮がなくなるとトラブルになる。やっぱりお互いに線引きって大事なんだよね」と振り返っていました。今回の出来事は、近しい関係だからこそ「当たり前」にしてしまいがちなことにブレーキをかける大切さを考えさせられる一件だったそうです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。