毎日のように利用している幼稚園の駐車場。ある日、順番を待っていた私の前に、後から来た保護者が当然のように割り込んできました。小さな出来事でしたが、その後の園からの一斉メールをきっかけに、親の姿勢が子どもに与える影響の大きさを改めて考えさせられた出来事です。
幼稚園の駐車場での出来事
毎日の送り迎えで利用する幼稚園の駐車場は、限られたスペースだからこそ、みんなが順番を守り譲り合いながら使っています。ところがある日、私は列に並んで待っていたにもかかわらず、後から来た保護者が当然のようにスッと割り込んできたのです。思わず「え?」と声が出そうになりました。後ろにも数台の車が並んでいる状況で、時間も迫っている中だったので正直カチンときましたが、その場で注意すれば余計なトラブルになるかもしれないと、黙ってやり過ごすしかありませんでした。
割り込みにモヤモヤが募る
我慢してその場は終えたものの、心の中はすっきりしません。「自分が遠慮しただけで、相手は気づきもしないのでは?」「子どもに“順番を守ろう”と教えているのに、親がルールを破る姿を見せてしまったのでは?」と、モヤモヤは募る一方でした。小さなことのようでいて、子どもにとっては大きな学びの場になるはずの場面。だからこそ、大人が乱してしまったことに複雑な気持ちを抱えたまま、その日の送り迎えを終えました。
園から届いた一斉メール
数日後、園から「駐車場は譲り合ってご利用ください。順番を守らない行為は事故やトラブルにつながります」と注意喚起のメールが届きました。直接名前は出されていませんが、先生方もその様子を見ていたのでしょう。以降、その保護者は気まずそうにしていて、割り込みもなくなりました。小さな出来事ではありましたが、先生がしっかり対応してくださったことで、園全体に「ルールを守ろう」という空気が広がったように感じました。
大人の姿勢は子どもに映る
今回の一件を通して強く感じたのは、親同士のちょっとしたトラブルでも子どもたちに与える影響は大きいということです。順番を守る、譲り合う――そんな基本的なマナーを大人が乱してしまえば、子どもに教えていることも説得力を失ってしまいます。私たちの行動は思っている以上に子どもたちに見られているもの。焦っている時こそ、小さなマナーを大切にしたい。そうすれば、子どもたちも自然と「人を思いやる心」を学んでいくのだと、改めて感じた出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。