レジに用意されていた「あるモノ」
最近働き始めたスーパーでのことです。
私はレジ担当としてパートで入ったのですが、驚いたのは各レジに椅子が用意されていたこと。
お客様が並んでいなければ座って待機でき、腰への負担が少ないため、従業員からも大好評でした。
しかし困るのは、それを快く思わないお客様がいること。
ほとんどのお客様は「いいわねそれ」「ずっと立ってたら体に悪いわよ」と理解を示してくれます。
しかし、一部のお客様からは「何座ってんだ!」「サボってるんじゃないのか!」と、嫌味を言われることも。
中年男性客の思わぬクレーム
客足が少なかったある日のこと。
私はレジ内の椅子に座って、ビニール袋を整理していました。
すると、並んできた中年男性が私をじろりと睨み、吐き捨てるように言いました。
「座ってるなんて、そんなの見たことないぞ!」
内心カチンとしましたが、立場上言い返すこともできません。
すると、たまたま通りかかった店長がすぐに口を開きました。
「お客様、いつもご利用ありがとうございます。この取り組みでは、レジ係の負担を少しでも減らして、元気にお客様対応ができるようにしているんです。そのため、恐れ入りますがご理解いただけますと幸いです」
にっこり笑顔で言い切る店長。
その言葉に、男性客もバツが悪そうに黙ってしまいました。
店長の言葉に救われた私
私にとって、心強い一幕でした。
レジで、“お客様がいないときに座る”のは怠けではなく、より良い接客のため。
非常識なクレームに対して、店長が毅然と説明してくれたことで、胸がスッと軽くなった出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。