職場の飲み会帰り、上司に電車で付き添ってもらった夜。
何気ない一言から、思いがけない気遣いを知ることになりました。
飲みすぎた夜、上司が付き添ってくれた
仕事終わりの飲み会が楽しくて、つい飲みすぎてしまった夜のことです。
自分ではしっかり歩いていたつもりでしたが、実際は千鳥足気味。
「旦那さんに迎えに来てもらおうか」と心配する同僚の声にも、一人で帰れる自信はありました。
しかし、途中まで同じ方向だからと、上司が電車に一緒に乗ってくれることになったのです。
快速ではなく普通電車を選んだ理由
私の最寄り駅は快速停車駅。
当然のように快速に乗ろうとしたところ、上司が「普通電車にしよう」と言いだしたのです。
「時間かかるのに……」と心の中で少し不思議に思いましたが、そのまま従うことにしました。
「こっちの方が座れるよ」と上司はやさしく声をかけ、空いた席に案内してくれました。
電車に揺られながら「少し大げさじゃないかな」と思いつつも、酔いのせいか座った途端に安心感が押し寄せました。
最寄り駅には夫が迎えに来てくれていて、上司は私を夫に引き渡すまで、黙って見届けてくれていたのです。
後日わかった、思いがけない気遣い
後日、お礼と共に、なぜ普通電車にしたのかを尋ねてみました。
すると上司は笑いながらあっさりと「気分が悪くなったら、すぐ降りられるようにね」と答えたのです。
その一言に思わず息をのみました。
歩けていたし、会話もできていたので、まさかそこまで酔っているとは思わなかったのです。
それ以上に、私が気づかないところまで想像して行動してくれていたことに、胸がじんわり温かくなったのを覚えています。
あの夜から学んだ大切なこと
自分は大丈夫だと思っていても、周りから見ればそうではないことがある。
そして何より、大切なのは「相手を思って行動する」気持ちなのだと感じました。
楽しい場でも、飲みすぎて人に迷惑をかけてはいけない。
あの夜を思い出すたび、上司のやさしさに背筋が伸びる思いがし、自分も誰かを思いやれる人でありたいと感じます。
【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。