子育ては親の思い通りにはいかないものです。
宿題いつやるの? お風呂は? いつまでゲームやってるの!!
毎日繰り返されるやり取りの先に見えたものは?
筆者の友人K子の話をお届けします。

毎日の声掛け

K子は息子のY君が小学校入学時から、宿題は帰宅後すぐにやろうねと言い続けていました。
「先に宿題を済ませて、その後ゆっくりゲームをしたり友達と遊んだりすればいいんじゃない?」

ところがY君は聞く耳を持たず。
学校から帰宅後はいつもすぐに公園や友達の家に出かけてしまいます。

寝る前にようやくやる気になるも、眠くて字や計算が適当になってしまうという始末。
K子は時々爆発しながらも毎日根気よく声掛けを続けました。

そしてY君4年生の時、それは突然訪れました。

突然の覚醒

学校から帰宅するとすぐにランドセルを開けて、
「オレ、今から宿題やる!」
と自らその日の宿題に取りかかったのです。

入学時から言い続けて4年目、K子は驚きました。
「オレ、気づいちゃったんだよね。さっさと宿題を終わらせちゃえば、その後自由じゃん? 眠い時にやっても全然頭に入らないし。だから今やる!」
Y君は得意げな顔で語ります。

Y、それお母さんが何年も前からずっと言い続けてきたんだけど……
K子はがっくり肩を落としました。

そうです、Y君は母から数年間言われ続けたことを、今自力で気づいたのです。

次はいつになるか

「結局さ、親が何を言っても子供がやる気にならなきゃどうにもならないってことだよね」

次は言われなくても自主的にお風呂に入るってことに気づいてほしいわ~。
K子は笑って言います。

それはいつになるか分かりません、ですが子供が自ら気づき行動を起こすその時が来ることを信じて、声掛けを続けたK子に頭が下がる思いです。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。