ある日散歩中に出会った親子。赤ちゃんが可愛くて思わず声をかけた所、ママさんが急に泣き出してしまい……
事情を聞くと、育児中に陥りがちなとある状態が判明しました。
筆者の体験談です。

ある親子との邂逅

ある日娘と一緒に近所を散歩していると、一歳過ぎと思われる赤ちゃんとママに出会いました。

よちよち歩く赤ちゃんが可愛くて懐かしくて、思わず、
「こんにちは、可愛いですね~」
と声をかけました。

ママは笑顔であいさつを返してくれて、そのままちょっとした世間話をしていると急に、
「うぅ……」
ママが顔を手で押さえて泣き出したのです。

何か変なことを言ってしまったかな、と内心あたふたしていると、
「急にすみません、実は」
涙をぬぐいながら事情を話してくれました。

突然泣き出したワケは?

最近夫の転勤でこの辺りに引っ越してきたが、知り合いもいない土地で日中は子供と二人、孤独感をずっと感じていた、とのこと。

そんな中で声をかけてもらって嬉しかった、と。

それを聞いて私は胸がいっぱいになってしまいました。
私も夫が転勤族で、娘が一歳の頃は知り合いがいない土地で子育てをしていたからです。

乳幼児の育児中は子供と一対一の時間が多く、世間から切り離されたような孤独感を感じることがあります。
実家も頼れない土地での生活は、不安なこともたくさんあったことでしょう。

私はおせっかいかなと思いながらも、近くの児童館の場所や、保育園、幼稚園の園庭開放などのイベントがあることを伝えました。

ママと赤ちゃんに幸あれ

その後、家が近所のためかちょくちょくお会いしますが、そのたびにあいさつと軽い世間話をして、可愛い赤ちゃんに癒されています。

縁があったこの土地で、ママも赤ちゃんも健やかに過ごしてほしいな、と心から願っています。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。