義母、AIにすっかり夢中
ミサさんは、働き盛り。
管理職に昇進したばかりで、公私ともに慌ただしい毎日。
さらに夫の両親との二世帯同居も重なり、
気を遣う場面が多く、自然と義父母との間に距離を置いていたそうです。
そんなある日、デジタル音痴の義母にChatGPTの使い方を教えたところ、すっかり夢中に。
料理のレシピや旅行プランを相談しては「便利ね!」と大喜びしていたそうです。
家族LINEに衝撃
ある日、家族LINEに義母から思いがけないメッセージが届きました。
「ミサさん、今日も帰りが遅いの? 何時ごろになるのかしら」
いつもの連絡かと思い、返信しようとしたその瞬間。
続けて送られてきたのは、信じられない一文でした。
「AIに聞いたらね、帰りが遅い理由は“誰かと過ごしている可能性”なんですって。ミサさん、浮気じゃないの?」
その文字を見た瞬間、絶句するミサさん。
AIの“一般的な回答”を鵜呑みして勝手に当てはめ、家族に拡散してしまったのです。
管理職の激務で遅くなっているだけなのに、まさかこんな疑いをかけられるとは。
帰宅後、疲労とショックでぐったりしてしまいました。
夫の一言
そんなミサさんを見て、夫が義母に呆れと怒りで一言。
「じゃあAIに“姑は嫁に口出しを控えた方がいいですか?”って聞いてみてよ。きっといい答えが出るに違いないから」
義母はハッとして黙り込み、気まずそうに謝罪しました。
その後、「実は私もAIに“老後の趣味は何がいい?”って聞いたら“社交ダンス”って出てきたのよ。私、リズム感ゼロなのに(笑)」と自虐。
その瞬間、家族中が大爆笑。
重苦しかった空気は一気に和らぎ、義母も照れくさそうに笑っていたそうです。
AIがくれた笑顔
その日から AIをきっかけに、二世帯同居ならではの緊張感も和らぎ、世代の壁が縮まったのです。
新しい技術は、ときに誤解やトラブルを生むけれど、
一緒に笑って学べば、家族の距離を近づけるきっかけにもなる。
「便利なものも、使い方次第だわ。勉強になった」
ミサさんはそう実感したといいます。
【体験者:40代・女性/会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。