「男の子なのにピンク?」と心ない一言を投げかけられた登園時。
悪意ある発言にモヤモヤしながらも、母として、ある“伝え方”で静かに空気を変えていきました──。
今回は筆者の知人から聞いた、多様性についてのエピソードをご紹介します。

ピンクはダメ?

ある日の保育園の登園時、3歳の息子がピンク色のリュックを背負っているのを見て、とあるママ友が呆れたような表情で急に嘲笑ってきました。

「えっ、男の子なのにピンク?」
「ピンクは女の子でしょう」
「ちょっとありえないわ~」

その場では急な発言にびっくりしたこともあり、うまく息子をかばえず笑って流してしまった私。

「息子が好きで選んだので〜」
と軽く返すだけになってしまいましたが、内心はずっとモヤモヤしていました......。

息子のお気に入り

実はそのリュック、息子が自分で選んだ初めての“お気に入り”。

元々ピンクが好きな息子はそのリュックを家でも大切に扱っていて、その日の朝も嬉しそうに背負っていたのです。

そんな息子の思いまで否定されたような気持ちになり、何とも言えない虚しさが残った私。

後日、たまたまそのママ友とまた一緒になったので『息子を馬鹿にされたままは嫌だなあ』と思い、しっかり伝えてみることに。

和解

「このリュック、息子が自分で選んだお気に入りで」
「ピンクって、優しい気持ちになれる色みたいです」

すると少し気まずそうにしながらも、
「そうなんだ」
「そういう考え方もあるのね」
と返してくれた彼女。

その様子を見ていた別のママ友が、
「うちの息子もピンクの服が大好きだよ」
「子どもって自由でいいじゃない~」
と会話に加わってくれ、空気が一変!

その後の関係が壊れるのを恐れて意見することをためらうのではなく、穏やかな言葉できちんと伝えることが、偏見をやわらげる第一歩だと感じました。

多様性

今や、時代は多様性を受け入れることが主流になっています。

私も“男の子らしさ”や“女の子らしさ”に縛られることなく、子どもの感性を大切にする育て方を、これからも貫いていきたいです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。