今回は筆者の知人から聞いた、子どもを持つことの意味を改めて考えさせられる、家族の葛藤にまつわるエピソードをご紹介します。
3人産んで当然
結婚して数年、2人の子どもに恵まれた私たち夫婦。
4人家族として十分に幸せな日々を送っているつもりでしたが、義母からの圧にすっかり参ってしまいました……。
「私は4人産んだわ」
「あと1人は産んで当然よ」
と、義母はことあるごとに“たくさん子どもを産め圧”をかけてくるのです。
分かってもらえない
正直、私は体調的にも、2人目の出産でかなり無理をしていました。
妊娠中も悪阻や切迫早産で入院を繰り返しており、出産も壮絶だったため、3か月経っても体が元通りとはいかず……。
「もしまだお子さんを望んでいるとしても体のことを考えて慎重になってください」
と医師からも言われていたため、もう1人授かることは現実的でないと判断しました。
そのことをやんわり伝えたのですが、
「気の持ちよう」
「若いうちが勝負」
と義母はまったく聞く耳を持たず。
しまいには、
「母親失格じゃないかしら?」
「まだ努力できるはずよ」
とまで言われ、精神的にも限界を感じました。
証拠を提示して伝えると?
夫はそんな義母をいつも注意してくれていましたが『あの言葉はさすがに酷すぎる』と完全に私の味方に。
『証拠を持って伝えれば分かってくれるかも』との夫の考えもあり、2人で婦人科へ。
医師に現在の身体の状態、次の妊娠へのリスクを説明してもらい、その診断書を夫が義母に渡して再度説得してくれました。
すると、あれほど圧をかけてきた義母もさすがに難しいとようやく分かってくれた様子。
「もうこれ以上は望めないのね」
とぽつりと呟き、それ以降その話題を口に出さなくなってくれたのです。
体を大切に
「体が大変だったよね」
「子どもたちと出会わせてくれて本当にありがとう」
と改めて労ってくれた夫。
子どもを産む・産まないは、家庭の金銭事情はもちろんですが、何よりも母体の状況次第で、外野が軽く口を出すものではありません。
『自分の体を守るためにも毅然とした態度で伝えることが大切』ということを強く実感した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。