以前、友人と駅の中を歩いていたときのことです。
その駅は改札を出たところに公衆電話があるのですが、その公衆電話の前に80歳くらいのおじいさんがいました。おじいさんは片手にメモ用紙のような小さな紙を持ち、不安そうな顔つきで辺りをきょろきょろと見渡しています。
「どうしたんだろう、あのおじいさん……」と友人。「助けて欲しそうだね」と私が返すと、友人はおじいさんに声をかけに行きました。
「どうしました?」と友人が尋ねると、おじいさんは困ったように「いや、実は」と話し出しました。