息子の初めての習い事、驚きの成長
4歳の息子が初めての習い事を始める日がやってきました。体操教室への申し込みは、体力作りと協調性を学んでほしいという思いからでしたが、息子の性格を考えると少し不安がありました。というのも、息子は人見知りで知らない子と一緒の場面では、泣いたり固まったりするタイプ。だからこそ、今日はどうしても泣くのではないかと覚悟して、タオルや水筒、お菓子までバッグに忍ばせていました。
不安を裏切る勇気、息子の成長
体操教室の入り口で先生に名前を呼ばれると、息子は私の手をしっかりと握りました。やっぱり不安なんだろうな、と思ったその瞬間、息子はパッと手を離し、大きな声で「はい!」と返事をしました。そして、振り返ることなく、列に並んでいく息子を見て、私は思わず目を見開きました。「え? 行っちゃった……?」私の方が拍子抜けしてしまいました。
息子の挑戦、予想外の活躍
授業が始まると、予想以上の驚きが待っていました。鉄棒やマット運動に果敢に挑戦し、さらに初めて見る跳び箱にも挑戦したのです。周りの子どもたちが躊躇している中、息子は「ぼくもやる!」と一番前に出て行きました。その姿を見た先生は「初めてなのにすごいね!」と褒めてくれ、息子は満面の笑みを浮かべていました。
親の思い込みと、息子の力
授業が終わり、息子が汗だくで戻ってきた時、「ママ、すっごく楽しかった! また来たい!」と言ったその一言で、私は胸がじんわりと温かくなりました。正直、この日まで私は「息子は慎重派で、新しいことには抵抗がある」と思い込んでいたのかもしれません。しかし、この日、息子が見せてくれたのは、挑戦する勇気や人と関わる力がしっかりと備わっているということでした。
親の予測は覆され、学んだこと
この出来事を通じて、私は「先回りして不安を決めつけない」ことの大切さを学びました。親としての経験則だけで子どもの可能性を狭めてしまうことがあることを実感しました。それ以来、息子が新しいことに挑戦する時は、まず信じて見守るようにしています。失敗することもありますが、そのたびに新しい一面を見せてくれる息子の成長が、今ではとても楽しみです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。