資産に恵まれ、働く必要などまったくない“大地主”の祖母。ところがある日、彼女は突然スーパーの「資源ごみ分別の仕事」を始めると言い出しました。その真意とは……? 友人が、体験談を語ってくれました。
そこへ、ひとりの高齢女性が袋を抱えてやってきました。
「あら、Aさん。今日も暑いですねぇ」
「あなたがいてくれて助かるわ。ペットボトルのラベル、どうやって取るのか分からなくて」
祖母は慣れた手つきで手伝いながら、丁寧に応じていました。その会話の中に、笑顔があり、地域のつながりがありました。
祖母が選んだ「仕事の意味」
ああ、こういうことだったのかと私は腑に落ちました。
祖母にとっての「仕事」は、お金のためじゃなく、町の一員として関わること、誰かの役に立つことだったのです。
そんな祖母の背中に、年齢や立場に関係なく、仕事は尊いものなのだと教えられたのでした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。