約束! 子育ては協力してね
結婚してすぐに子を授かり、第一子を妊娠中のAさん。初めての妊娠・出産・子育ては楽しみでもありましたが、不安もいっぱい。
Aさんはいつも夫と一緒に「協力して子育てをしようね」と語り合っていました。夫も「もちろんだよ」と言ってくれ協力的な姿勢を見せていたこともあり、Aさんは安心していたのです。
しかし、子どもが生まれると、Aさんが思い描いていたような生活ではありませんでした。
どうして? ワンオペ育児になったAさん
娘が生まれると夫は残業が続くようになりました。「仕事なら仕方ない……」と受け止めていたAさんでしたが、夫が帰りが遅いため娘のお世話はAさん1人でやらなければなりません。
毎日毎日ワンオペ育児が続いたAさん。慣れない育児に疲れ果て、夜中に何度も起きては泣く娘をあやし、心も体もボロボロになっていきました。誰かと話したいと思っても、そばにいるのは生まれたばかりの娘だけで、孤独感がA子さんを襲ったのです。
そんな状況にA子さんは追い詰められていきました。そして我慢の限界を迎えます。
協力するって言ったよね?
Aさんは今日も遅く帰ってきた夫に対し、「協力して子育てしようって言ったよね?」とこれまでの不満を爆発させました。
しかし、夫はきょとんとした顔で「え? 俺、協力してるよね?」と言うではありませんか。
よく話を聞いてみると、夫は「俺にできるのは、子どものために頑張って働いてお金を稼ぐことだと思ってた」と言うのです。
娘が生まれてから残業が増えたのも、お金のために仕事を引き受けていたからで、夫は妻と娘のためにと思って頑張って働いていたのでした。
「娘に会う時間は減るけれど、お金を稼いで子育てに協力するぞ」夫はこう思っていたのです。
協力のすり合わせ
Aさんは夫がそんな風に考えていたとは知らず、驚きました。そして、自分の思う協力はそれではないことを伝えました。
「お金も大事だけど、私はもっと娘のお世話を2人で協力してやりたいの」
夫は自分の思う協力とかけ離れたAさんの言葉を聞いて驚いたようです。そして、Aさんの意見を理解してくれました。それからの夫は仕事をセーブし早く帰ってきて、娘のお世話を積極的にしてくれるようになったのです。
「協力する」という言葉から考えるものでもこんなにも違うのだということを理解したAさん。これからもどうしてほしいのか、どういうつもりなのかは話し合っていくことが重要だと思ったそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。