ご近所付き合いの一環として、町内会の清掃などの行事には必ず参加するという人も多いのではないでしょうか。特に引っ越したばかりだと、ご近所さんに顔を知ってもらえるいい機会ですよね。今回はそんな町内会の清掃で、まさかの疑いをかけられた経験のある筆者の知人、Kさんのお話です。

「失礼ですが、何を飲んでいるんですか?」
Kさんはどうしてそんなことを聞かれるのかな、と思いつつもペットボトルカバーからお茶を出して見せました。
「凍らせたお茶ですよ、今日暑いので」
Kさんの答えに、町内会長さんはほっとした顔で言いました。
「すみません! ペットボトルを隠してるから、お酒を飲んでいるんじゃないかと言う人がいて」
「ええ!? お酒じゃないですよ!」
日焼けしやすいKさんの顔が赤くなっていたこともあり、どうやらお酒を飲んで酔っぱらいながら清掃作業をしていると思われたようでした。
「そのせいだったのか」
ご近所さんが不審な顔をしていたのはそのせいだったのかと思い、Kさんは納得。

この一件をきっかけに、Kさんは自分から積極的にご近所さんに話しかけ、顔と名前を覚えてもらう努力をするようになりました。
家を買ってその地域で長く住むことになるわけですし、今回の件を笑い話にできる日が来ることを願って、これから少しずつ、この地域に馴染んでいこうと決意したのでした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。