まるで子どものころのように、大人になっても兄弟や姉妹の間で物の貸し借りをするのは特に珍しくないことです。しかし「貸して」と言われたものがとても高価なものだったり、大事なものだった場合にはやはり貸すのをためらってしまいますよね。今回は物の貸し借りでトラブルに発展した経験のある筆者の知人、Yさんのお話です。
「車ありがとー、ごめんちょっと擦っちゃったわ」
しばらくして義妹が帰って来ましたが、車庫入れに失敗したのか、車のサイドミラーには擦ったような傷がついています。
「そんな」
「修理代はお兄ちゃんに頼んでいい? 傷も浅いし大丈夫でしょ」
けろっとした顔で言う義妹に、Yさんの我慢も限界。すぐに旦那さんに連絡すると、出かけていた旦那さんはもっと激怒して帰ってきました。
「勝手に乗っていくとは何事だ! もし誰かを怪我させていたらどうするつもりだったんだ!? 母さんも勝手に貸しちゃダメだろ」
旦那さんはお姑さんと義妹にきつく説教をし、2人に修理代を出させる約束をさせました。
その後事情を聞いた義妹の旦那さんから丁寧な謝罪と修理代が届き、車は元通りキレイな状態に戻ったそうです。
いくら義理の姉妹とはいえ、勝手に車を借りて、しかも傷つけるなんてもってのほかですよね。人のものを勝手に持ち出すのは、どんなに親しい間柄でも許されないのではないでしょうか。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。