今回は、幼稚園の先生であるAさんにお聞きしたエピソードをご紹介します。
毎日子どもたちに寄り添い、保護者との連絡帳も丁寧に続けていたAさん。
ところが、ある保護者から連絡帳での「詰問」が続き、やがて心は限界に。
そんなAさんを救ったのは――?
毎日子どもたちに寄り添い、保護者との連絡帳も丁寧に続けていたAさん。
ところが、ある保護者から連絡帳での「詰問」が続き、やがて心は限界に。
そんなAさんを救ったのは――?
恐怖の連絡帳!?
私は、幼稚園の年少クラスの担任をしています。
可愛く、パワフルな子どもたちに囲まれ、慌ただしくもやりがいを感じる毎日。
保護者の方々とは、連絡帳を通じてコミュニケーションを取っていて、子どもたちの園での様子を伝えたり、家庭でのことを聞いたりしています。
連絡帳で得られる気づきも多くあるため、どんなに忙しくても、丁寧なやりとりを心がけてきましたし、なにより、自分の癒しにもなっていました。
まさかこの連絡帳が、私にとって「恐怖のノート」になるだなんて――。
保護者からの「詰問」に、ストレス
きっかけは、Cさんという保護者からのこんな一文でした。
「お迎えのとき、うちの子が泣いていましたが、先生の対応がよくなかったのでは?」
ドキッとするような書き方に、やや戸惑いましたが、たしかにもう少し気を付けて見てあげればよかったのかもしれません。
その日のお返事として、お子さんの園での様子を交えながら、軽くお詫びをしました。
しかし、それを皮切りに、Cさんからの連絡帳の内容はどんどん激化していったのです。
「服が汚れていました。一体どういう保育をしているんですか?」
「なぜ、うちの子だけお昼寝していないんですか?」
「連絡事項」ではなく、まるで「詰問」。
そんな内容の鋭い言葉が、毎日届くようになったのです。
子どもたちには、ひとりひとり個性がありますし、保育中の出来事にはそれぞれ理由があります。
私は誠実かつ丁寧に状況を説明し、ひとつひとつ返事を書きました。
それでも、Cさんは納得がいかないよう。
彼女の文面は日に日に攻撃的になっていき、次第に私は、毎日の連絡帳を見ることに強い恐怖とストレスを覚えるようになってしまいました。