子育てって手探りの連続ですよね。子どものために良かれと思ってしたことが、なぜか裏目に出てしまう……そんな経験、ありませんか? 今回は子育て中の友人が、子どもとのコミュニケーションの大切さについて聞かせてくれました。
夫の一言がきっかけに
ある夜、もう見ていられないという様子で、夫が私に言いました。
「きみはゲームを敵だと思ってるだろ。でも息子にとってゲームは、友達と繋がるためのツールで、大切な世界なのかもしれないよ」
その言葉に、私は自分が「毒親」になりかけていたことに気付き、震えました。
私は息子の価値観を理解しようともせず、ただ自分の物差しで正義を振りかざしていただけだったのです。
信頼を取り戻すために
次の日、私は息子の気持ちも聞かずに一方的にルールを押し付けてしまったことを謝りました。
そして、「ママにも、そのゲームのこと教えてくれない?」と頼んでみたのです。
最初は戸惑っていた息子でしたが、やがて少しずつ自分の「世界」について語ってくれるように。
共通の話題が、凍り付いていた関係をゆっくりと溶かしていきました。
ルールは「親子で話し合って決める」形に改めると、不思議なことに息子の成績も少しずつ上向き、何より親子の信頼を取り戻せたのです。
力で押さえつけるのではなく、子どもの世界に寄り添い、信頼を築くこと。
それこそが、親が本当にすべきことだったのだと、今は思います。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。