「まさか、私が?」と思うようなトラブルって、本当に突然、なんの前触れもなくやってくるものですよね。特に、子育て中の毎日は予測不能なことの連続です。今回は、筆者の友人が体験したエピソードをご紹介します。

悲劇の引き金

我が家の愛車は、少し年季の入った中古車。
スマートキーなんて便利なものはなく、当然キー閉じ込め防止機能もありません。
それが、この日の悲劇の引き金となりました。

真夏の昼下がり、私は子ども2人を連れてスーパーへ。
買い物袋を後部座席に詰め込み、鍵やスマホ、財布を入れたバッグをその上に置いた、まさにその時。
隣の車がバックランプを点灯させたのです。

「危ない!」
私はとっさにドアを閉め、子ども達を安全な場所に避難させました。

炎天下での締め出し

隣の車が去ったのを確認し、子どもたちを乗せようとドアノブに手をかけた瞬間、私の動きは止まりました。

……ドアが開かない?!
どうやら私が荷物を積んでいる間に、子どもが内側のロックボタンに触れてしまったようでした。
それに気が付かないまま私はドアを閉めてしまったので、車のドアは知らないうちにロックされてしまったのです。

窓ガラスの向こうには、スマホや財布の入ったバッグ。炎天下の駐車場に、手ぶらの親子3人。
「ママ、のどかわいた~!」
ぐずる子どもたちを前に、私は完全に途方に暮れていました。

救いの女神は、金髪のギャルママ?!

お店に戻って電話を借りようか……そんなことを考えて立ち尽くしていたその時です。

「どしたんすか?」
振り返ると、そこには金髪にキラキラネイルの、いかにも「若いママ」といった雰囲気の女性が立っていました。

事情を話すと、彼女はすぐさま自分のスマホを差し出し、
「うわ、大変! これ使っていいから、今すぐJAF呼びましょ!」と一言。

さらに、JAFを待つ間、近くの自販機で私と子どもたちのために冷たい飲み物まで買ってきてくれたのです。

一番大切なこと

数十分後、無事JAFが到着し、車の鍵は開きました。

私は彼女に何度も頭を下げ、せめて飲み物代だけでも、そして何かお礼がしたいからと連絡先を尋ねました。

しかし彼女は笑顔で「いいって、いいって! お互い様だから!」と手を振り、颯爽と去っていきました。

“私も人が困っている時に、さっと手を差し伸べられる人でありたい”

この日のこの出来事以上に、そう感じさせられたことはありません。
あの日の彼女の優しさと格好良さは、私の心に深く刻まれています。

【体験者:30代・女性パート職員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。