これは筆者自身と4歳の息子との公園での体験です。
“しつこく絡んでくる”子との関わりを通じて、息子が見せた意外な対応に驚きと成長を感じた出来事。子どもが自分なりに人との距離を学んでいく姿から、親としての見守り方を改めて考えさせられました。

息子が見せた意外な対応

近所の公園に4歳の息子と行ったときのこと。少し遅い時間だったからか、いつも見かけない子どもたちが何人か遊んでいました。その中に、遊び方が少し一方的な男の子がいて、他の子のおもちゃを勝手に使ったり、走る子の前に立ちふさがったりと、正直ちょっと苦手なタイプ。私は少し距離を置いて見守ることにしました。

うちの息子にも接近してきた

するとその子が、うちの息子にも近づいてきて、滑り台ではぴったりと真後ろにつき、砂場では息子のバケツやスコップを当たり前のように使い始めました。普段の息子なら、こういうときは泣き出してしまうのですが……。

自分で考えるという選択肢

驚いたのはここから。息子は泣くでも怒るでもなく、自分なりの対応をし出したんです。滑り台では一瞬チラッと見るだけでそのまま滑り降り、砂場では「それ僕のだから使わないでね」と一言伝えると、無理に取り返すこともせず、自分から場所を移動して静かに遊び始めました。

成長した姿に胸が熱くなる

「そんな対応できるようになってたの……?」と驚きながら、胸がじーんとしました。これまでは少しでも嫌なことがあれば大騒ぎしていた息子が、自分なりに距離を取り、トラブルを避ける選択をしていたのです。

子どもは自分で学ぶ力を持っている

帰り道、「さっきの子、少し関わり方が難しかったね?」と聞くと、「ちょっとしつこかったけど、気にしなかったよ。場所を変えればいいんだよ」とあっさり。なんとも大人びた答えに、また驚かされました。

もちろん、いつもこううまくいくわけではないし、助けが必要な場面もあるはず。相手の行動がエスカレートしたり、危険な状況になったりした場合は、大人が間に入るべき場面もあります。でも、今回の出来事で気づいたのは、子どもなりに“関わらない勇気”や“距離の取り方”を少しずつ学んでいるということ。

親として「守らなきゃ」と先回りしがちだけれど、信じて見守ることで、子どもは確実に成長していくのだと実感しました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。