母は施設で暮らしていますが、外出できる日は一緒に出かけています。
張り切って準備をした日のこと、母の様子に思わず肩透かしを食らった出来事がありました。
久しぶりのお出かけ準備
母が施設に入ってから、外出できる日は特別な時間になりました。
コロナ禍も落ち着き、施設に前もって連絡をしておけば外出の許可ももらえるようになったので、久々に外食をしようと予約をしたのです。
この日も「おいしいものを食べたい」という母の希望に合わせて、レストランやカフェを予約。
移動の負担を減らすため、介護タクシーも手配しました。
久しぶりのお出かけに、私自身も少しワクワクしていました。
食事中に見せた母の変化
迎えに行くと、母は「楽しみね」と笑顔を見せてくれました。
けれど、タクシーに乗車すると、いつも話に花が咲くのにウトウト。
レストランに着いても母はぼんやりしたまま。
食事中も眠そうで、声をかけながらなんとか食べ終え、カフェへ向かいました。
ところが、デザートに選んでおいたケーキにはほとんど手をつけず、車椅子の上で眠ってしまったのです。
「今日は無理させちゃったかな」と胸がざわつき、楽しみにしていた気持ちはしぼんでしまいました。
拍子抜けの一言
外はまだ暑さが残り、とてもこれ以上の外出は難しいと判断。
施設では食べられないものを色々食べさせる予定でしたが、連れ歩くと疲れてしまうからと予定を切り上げ、施設に戻ることにしました。
やっと玄関まで着き、スタッフに声をかけようとしたとき、母が目を開けて一言。
「えっ、もう終わり? まだどこか行けるよ」
あまりの元気さに、思わず固まりました。
母らしさに振り回されて
準備も移動も頑張った私の気持ちは、あっけなく肩透かし。
「だって寝てばっかりじゃない」
というと
「楽しみすぎて眠れなかった」
という母の言葉に、少し気持ちが軽くなりました。
あまりに元気な姿に、なんだか私のほうが振り回された気分でした。
でも、そんな母とのお出かけだからこそ、次もまた一緒に行こうと思えるのかもしれません。
【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。