久々の再会ランチで
大学時代の友人グループで、10年以上ぶりにランチをすることになりました。
SNSでつながってはいたものの、顔を合わせるのは本当に久しぶりです。
再会してしばらくは近況報告に花が咲き、笑い声が絶えない時間が続きました。
ところが、私が「今は仕事が楽しくて、まだ結婚は考えていないかな」と話した途端、友人の1人、R子の空気が変わりました。
にじみ出るマウント感
「えっ、まだ独身なの?! ちょっとかわいそう(笑)」と言ってきたR子自身は、数年前に結婚して、今は2人の子どもを育てる母親です。
R子は続けて「やっぱり家族がいるっていいよ」「人生の意味が変わる」と、幸せな自分語りを始めました。
その言葉の端々からは“結婚して子どもがいる私のほうが幸せ”という空気が漂い、しまいには「そろそろ焦らないと一生独身だよ?」とお節介発言まで……。
学生時代は無邪気で正直だと思えたR子の性格でしたが、大人になった今はただの無神経にしか感じられませんでした。
ついに放った一言
その瞬間、心の奥から言葉がこみ上げました。
「自分が幸せだと思っているなら、わざわざ人を下げなくてもいいんじゃない?」
私の口からするりと出たその一言に、R子は固まり、視線をそらしました。
想定外だったのか、「別に、そういうつもりじゃ……!」と慌てて話題を変えます。
まさか言い返されるとは思っていなかったのでしょう、その後のR子は、わざとらしく話題を変え、二度と結婚の話を口にしませんでした。
比べない幸せのかたち
「結婚=幸せ」
「子どもがいて一人前」
という価値観は、もう古いはず。でも、そう信じて疑わない人はまだいます。
そして、そういう人ほど“自分と違う幸せ”を認めたがりません。
独身でも、既婚でも、子どもがいてもいなくても……誰かの幸せと自分の幸せを比べる必要なんてありませんよね。
自分の心の平穏を守れるのは、他の誰でもない自分自身。
私の幸せは、私が決める。そう、強く思えた出来事でした。
これからは、心がざわつく関係からは距離を取っていこうと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。