突然の「YouTuber宣言」
ユミ子さんには、中学2年の息子・洋平くん(仮名)がいます。
ある日突然、洋平くんから「俺、YouTuberになるから勉強しない」と宣言され、思わず耳を疑いました。
冗談かと思ったのも束の間、息子の表情は真剣そのもの。
「将来のために今は勉強が大事よ」と何度説得しても、「勉強なんて意味ない」の一点張り。
思春期特有の反抗期とはいえ、このままでは先が思いやられます。
説得しても聞かない息子
息子の頑固さに困り果てたユミ子さん。
「YouTuberなんて簡単じゃないのよ」「ちゃんと勉強してから考えなさい」と諭しても、洋平くんは全く聞く耳を持ちません。
むしろ反発が強くなるばかり。
勉強への拒否反応も日に日に強くなっていきます。
母の意外な作戦開始
悩んだ末、ユミ子さんは方向転換しました。
「じゃあ本気でやってみなさい。ママも手伝うから」
そこから洋平くんの"本格YouTuber生活"が始まりました。
動画の企画を練り、撮影し、編集して、サムネイルを作って…
簡単そうに見えていた作業は、実際には何時間もかかる重労働。
頑張って投稿しても、再生回数はほんの数回。
コメントもほとんどつきません。
1ヶ月も経たないうちに、洋平くんはぼそっと言いました。
「これ、オレが思ってたのと違うわ……これめちゃ大変」
現実の厳しさを、身をもって体験したのです。
遠回りした先に
「やっぱり勉強もやっとこうかな」
その日から、机に向かう時間が少しずつ戻ってきました。
「やめなさい」ではなく「やってみなさい」と背中を押した母の作戦勝ち。
遠回りのようでいて、親子の信頼も深まった出来事でした。
時には子どもの「やりたい」を受け入れることで、自然と気づかせてあげることも大切な子育てなのかもしれませんね。
【体験者:40代・女性/会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。