静かな温泉でのんびりするつもりが、運悪く非常識な家族に遭遇してしまいました。
走り回る姉妹と大声の母親、さらには男湯から大声で話す父親。
我慢の限界で温泉を出て、耳にしたのは信じられない一言でした。筆者の体験談です。

露天にも押し寄せる波

外の空気を吸いながら湯に浸かると、再び落ち着きを取り戻せる……はずでした。

ほどなくして先ほどの親子が露天風呂へやってきたのです。やっぱり声が大きい。
すると姉妹が突然、「お父さーん!」と叫びました。

男湯から「おー! お前たちも露天か? 気持ちいいか?」と父親の声が返ってきます。
そこから始まる、家族全員の大声会話。

「晩ご飯何が出るかな? お刺身あったらいいな」「お父さんビール飲むでしょ?」——まるで家のリビングで団らんしているかのようなやり取りが、露天風呂いっぱいに響き渡ります。

最後のひとこと

露天風呂に入っていた他のお客さんは、迷惑そうに顔をしかめながら次々に出て行き、気づけばその親子と私だけに。

居心地が悪くなった私は、会話の波を避けるようにそっと湯から上がりました。
体は温まったはずなのに、心はなぜかぐったり。

その時、背後から聞こえてきたのは子供の声。
「あー、やっと私たちだけになったね!」
……ええっ! それはこっちのセリフです!

結局モヤモヤして、心から休まらなかった私。その日の深夜、もう一度温泉に入り直したのでした。

【体験者:50代・女性・筆者 回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。