母の家へ、スマホもタブレットもなしで訪問
7歳と8歳の子どもたちを連れて、私の母の家を訪れたときのことです。
普段、家ではYouTubeやゲーム三昧のわが子。
行きの車内でも「Wi-Fiあるの?」「ゲーム機持ってきた?」と騒いでいたので、私はあえて今回はスマホもタブレットも封印。
私は、「たまには何もないところでのんびり過ごすのもいいもんだから」と言いました。
とはいえ、内心では「退屈して文句を言うだろうな」と覚悟してました。
意外な遊び道具を見つけた8歳の娘
しかし、そんな心配は無用でした。
到着して、荷物を整理していると、8歳の娘がいつの間にかトイレットペーパーの芯を手に遊んでいたのです。
何をしているのかと思えば、芯の端をゆっくりほどき、芯を1枚の紙のように広げています。丁寧に扱いながら、折り紙のようにして遊んでいました。
弟も欲しがり、まさかの涙
そこへ7歳の息子がやってきて、その“紙”を見て一言。
「おれもそれ、ほしい!!」
娘は「これは私が作ったの!」と拒否。
それでも息子は「いいなぁ〜いいなぁ〜!」と食い下がり、しまいにはぽろぽろと涙をこぼして
「おれもトイレットペーパーの芯がほしいよぉ〜!」と、泣き出したのです。
笑いながら感心する母
普段、ゲームや動画がないと暇だ退屈だとぼやいている息子が、トイレットペーパーの芯がほしいと泣くなんて!
私は驚きながらも、おかしくて笑ってしまいました。
その様子を見ていた母は、
「なんでもおもちゃにして、すごいねぇ。子どもって本当に天才ねぇ」と感心していました。
その一言に、私ははっとしました。
私はつい、「子どもにはなにか遊ぶ道具が必要」と思いがち。
でも、与えすぎると“工夫する力”を奪ってしまうのかもしれない。
トイレットペーパーの芯が、兄妹で奪い合うほどの“おもちゃ”になるなんて。大人の私では到底思いつかない遊び方に、素直に感心した出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。