買い物中、偶然出くわした“あるお客さん”の行動に、筆者の友人は目を疑いました。周囲の視線も集まる中、最後に店員さんが放ったひと言とは……? 友人の体験談を聞きました。

夕方のスーパーで見かけた“衝撃の買い物風景”

ある日のスーパーでの出来事です。

冷凍食品コーナーで、私はきれいに並んだバラ売りの冷凍鮭が目に入りました。トングで好きな分だけ取れる形式で、どれも見た目がよく整えられています。

「今日の夕飯はこれにしようかな」と思って近づいたとき、先に立っていた中年女性が突然鮭をガサガサとトングで引っ掻き回し始めました。

上の段から下の段まで、次々と崩していき、結局下にあった鮭を2切れ取り袋に入れ、立ち去っていったのです。

整った売り場が一瞬で様変わり

その姿に私は唖然。

整っていた売り場はぐちゃぐちゃになり、一部の商品には傷が。買う気もすっかり失せてしまいました。

きれいな形のものを取りたい気持ちはわかりますが、いくらなんでもやりすぎだと思いました。

繰り返される同じ行動

「ほかの人のことも考えようよ……」

そう心でつぶやきながら肉売り場へ行くと、またあの女性が。

次は片っ端からパックをどけて、一番奥に手を突っ込んでハムを選び出していました。
どけたパックはというと、やはり別の商品の上に置きっぱなし。

それを元に戻すそぶりもなく、知らん顔で女性が立ち去ろうとしたその時でした。

背後から店員さんがやってきたのです。

店員さんの静かなひと言が空気を変えた瞬間

店員さんが静かに、でもはっきりと声をかけました。

「お客様、失礼します。商品はほかのお客様にも見やすい状態で並べていますので、少し配慮してお選びいただけると助かります」

ピタリと動きを止めたその女性は、無言でその場を離れていきました。

その場にいた私は、心の中で「よくぞ言ってくれた!」という気持ちでいっぱい。

商品を丁寧に扱う。それだけのことで、次の人も気持ちよく買い物ができるのだと改めて思った出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニストYuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。