義両親の介護を巡り、何度も夫と衝突していた筆者の友人・千恵さん(仮名)。「自分の親なのに、なぜ何もしないの?」と夫への苛立ちが募るばかりでした。しかし、ある夜夫が漏らした壮絶な過去を知り、心境が一変した実話です。
介護問題で夫婦の溝が深まる
「また、その話?」
千恵さんが義両親の介護について切り出すたび、夫は話を打ち切ります。
「このままじゃ危ないよ」
義父は認知症、義母も足腰が弱く生活に支障が出始めているのに、
夫は「無理なんだ」と繰り返すだけ。
理由も言わず、会話すら成り立ちません。
千恵さんは「冷たい人」と責め続け、家の中は険悪に。
「冷たい人」だと責め続けた
千恵さんの苛立ちは日に日に募っていきました。
「普通なら、親のことを心配するものでしょ?」
そんな言葉を何度も夫にぶつけても、夫は黙って下を向くだけ。
友人に相談すると
「それはちょっと冷たくない?」
「自分の親なのに、責任感がないのね」
と同じような反応でした。
「やっぱり、この人は冷たい人なんだ」
千恵さんはそう思い始めていました。
夫婦の会話も次第に減っていき、家の中にはピリピリした空気が漂うように。
千恵さんは毎日、一人で悩み続けていたのです。