結婚15年、家事の役割が固定されていた真理子さん(仮名)夫婦。突然の骨折で困る彼女を、料理未経験の夫が助けます。そこには、夫の長年隠してきた才能と切ない想いがありました。筆者の友人・真理子さんから聞いた実話です。
突然の骨折
真理子さんが階段を踏み外したのは、いつものように買い物から帰ってきた夕方のことでした。
足首に激痛が走り、そのまま病院へ。
診断結果は骨折で、松葉杖での生活が始まることになったのです。
一番困ったのは、毎日の家事でした。
特に料理は立ち仕事が多く、片足では思うようにいきません。
「どうしよう……」と落ち込む真理子さんに、結婚15年で一度も台所に立ったことのない夫が意外な一言を口にしました。
「俺がやる!」
まさかのシェフがいた
正直、期待していませんでした。
「無理しないで、インスタントでもいいよ」
キッチンの夫に向かって声をかけます。
「任せといて~」夫の返事が聞こえてきました。