原因が分からず悩むなか、偶然の再会で思わぬ本音を聞かされます。
そこから祖母が見直した“あること”とは?
今回は筆者の知人から聞いた、家族関係の反省エピソードをご紹介します。
孫が来ない
「どうして最近、孫が来ないのかしら」
そう思い始めたのは、ここ数か月のことでした。
毎週末になると顔を見せてくれていた可愛い孫息子。
でも、中学生になった頃から急にぱったり来なくなってしまったのです。
息子夫婦に聞いても、
「部活や塾で忙しいみたい」
と言うばかりで、はっきりした理由が分からないままでした。
孫からの苦言
そんなある日、買い物帰りに偶然、駅前で孫とバッタリ会ったのです!
嬉しくて声をかけたのですが、孫はちょっと気まずそうな顔。
「最近全然行ってなくてごめんね」
「おばあちゃんち、なんかつまらなくて」
「心のどこかで、おばあちゃんのこと怖かったのかも」
そう正直に言われた瞬間、胸にズシンと重いものが落ちてきました。
『我が家に来ても楽しい思いをさせてあげられていなかったのね』と落ち込む一方で、思い当たることもあったのです……。
小言をやめると?
最近の私は孫に対して、
「姿勢が悪いよ」
「ゲームばかりして~宿題はしたの?」
と小言ばかり。
『孫の将来を考えてよかれと思っていたことが、孫にとっては“監視”のように感じていたのかもしれない』とようやく気づけたのです。
私はすぐに反省し、孫にこう伝えました。
「おばあちゃん、怒ってばかりでごめんね」
「もう嫌なことばかり言わないよう気をつけるから怒らないから、また来てね」
すると次の週末、
「おばあちゃん、ゲーム機持ってきたから一緒にやろうよ」
と笑顔で現れた孫。
小言を言わないよう気をつけながら過ごしてみると、何気ないゲーム時間が、とても愛おしく感じられました。
反省と学び
昔の常識や教育観を押しつけていた自分に気づけたのは、孫のおかげです。
今では孫に対して『来てくれてありがとう』と心から思えるように。
大切なのは“正しさ”ではなく“楽しさ”と“安心感”なのだと、遅ればせながら学ぶことができました。
【体験者:70代・女性専業主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。