公園で息子が遊んでいると、見知らぬ子どもが無言でおもちゃを奪おうとし、その母親は“貸してあげて当然”と言わんばかりの態度!
理不尽な“シェアの押しつけ”に、母親は静かに言葉を返します。
今回は筆者の友人から聞いたママ友トラブルのエピソードをご紹介します。

シェアが当然?

これは、4歳の息子と公園へ遊びに行ったある日の出来事です。

最近砂場遊びにハマっていた息子。

そのときも持ってきた砂場で使えるおもちゃセットで息子が遊んでいると、息子と同い年くらいの見知らぬ男の子が近づいてきました。

すると突然、私や息子に何の許可もとらずに、無言で息子が使っていたスコップを取り上げようとするではありませんか!

息子が嫌がり、私も思わず、
「何するの!?」
と声をかけると、その子は泣きべそをかく始末。

「泣かせなくてもいいのに~」
「うちの子にも貸してくれてもいいでしょ!」

そう文句を言いながら近づいてきたのは、その子の母親らしき女性。

「おもちゃはみんなで使うものよね?」
「みんなでシェアした方が楽しいわよ」
と当然のように言い放ってきたのです。

失礼すぎる!

たしかに貸し借りしてみんなで使うような協調性を持つことは、大事だと思います。

でも、それはあくまで“貸す側の気持ち”が尊重されてこそ。

ましてや、その子は、
「貸してほしい」
のひと言も言わずに勝手に奪おうとしたのですから、貸す気にだってなれません。

そのママの態度にイラっとしましたが『穏便に済ませたい』と思った私。

「今はうちの子が遊んでいるので、少し待ってもらえますか?」
と丁寧に返しました。

するとママはムッとした顔で、
「すぐ貸してくれればいいのに、ケチね」
と小さくつぶやき、子の手を握ってその場を離れていったのです……。

心のつっかえが取れた瞬間

その態度に唖然としていたものの、近くにいたほかのママがフォローしてくれました。

「よく言ってくれたわ」
「あの人いつも自分勝手なのよ」
「何も気にすることないわ」

周囲の共感が、私の判断は間違っていなかったのだと背中を押してくれました。

その後、同じ公園でその親子を見かけることは一度もありません。

気持ちが大切

小さいおもちゃ1つをとっても、子どもにとっては大事な持ち物です。

“絶対にシェアしなきゃいけないもの”ではないし、勝手に使われるようであればなおさら拒否したくなるのは当然だと思った私。

『相手の気持ちを考えて行動できることが大切だ』と改めて学んだ出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。