そんな金銭感覚が、ある出来事をきっかけに家族に波紋を広げます。
“家族は助け合うのが当然”との主張をしてくる相手にどう向き合ったのか──。
今回は筆者の知人から聞いた、家計にまつわるエピソードをご紹介します。
義母の金銭感覚
結婚当初から、義母の金銭感覚には少し不安を感じていました。
「お金なんてあればあるだけ使えばいいのよ」
「保険や貯金なんて無駄」
「老後なんてなんとかなるわよ!」
そんなふうに軽く話す義母に、最初は苦笑いするしかなかったのですが……。
義父が入院すると?
金銭問題が表面化したのは、義父が急な入院をしたときでした。
「入院費、ちょっと助けてくれる?」
「とりあえず10万円くらいでいいわ」
と義母から電話があったのです!
しかも、まったく申し訳なさそうな口調ではなく、まるでお金を出すのが当然というような態度。
「仕方ないなあ」
と夫は言っていたものの、我が家にも子どもの教育費や住宅ローンがあります。
そのとき、私ははっきりと『このまま頼られ続けたら、お互いの家計が厳しくなる』と感じました。
現実的な話し合い
頼られても困る、といくら伝えても
「家族なら助け合うのが当然でしょう!?」
と、なかなかこちらの話を聞いてくれない義母。
どうすればお互いが納得できるのかと考えた結果、感情よりも“事実”で話す方が効くと思い、ファイナンシャルプランナーを交えて家族会議を開くことにしました。
「あくまで公平な視点から、客観的な事実を知るため」と夫から説明してもらったこともあり、最初は乗り気じゃなかった義母も、プロの話には耳を傾けざるを得なかった様子。
「そんなにかかるのね」
と話を聞くうちに表情が変わっていきました。
お金は大事
「家族で助け合えたらいいのですが、私たちも共倒れになってしまっては困りますよね」
そう伝えると、ようやく理解してくれた義母。
その後、老後資金の現実・保険の必要性を知った義母は、自ら医療保険への加入を検討し、無駄な出費の見直しを始めました。
「自分たちでもなんとかしないと」
と義母が言ったとき、ようやく少しホッとできた私。
お金の話はなかなかデリケートで難しいものです。
でも家族だからこそ、正面から向き合う必要があると思います。
感情よりも“事実”が、相手を動かすのだと実感した出来事でした。
【体験者:30代・女性公務員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。