しかしあまりにも遠慮しすぎる振る舞いに、思わず物申してみると!?
筆者の友人C子が実際に体験したエピソードをご紹介します。
「いいのよ」「私なんて」が口癖の義母
義母はよく言えば、控えめでとても慎ましい性格。
なんでも
「いいのよ」
「私なんて」
と引いてばかりで、何かを主張することを「恥ずかしい」と思っている様子。
最初は「奥ゆかしい」と思っていたものの、やることなすこと全て遠慮がちな態度に、次第にもどかしさを感じるように。
スーパーで惣菜を横取りされても黙る義母
義母と二人でスーパーへ行った時のこと。
惣菜コーナーで最後の天ぷらを手に取った義母の後ろから手が伸びて、年配の女性がひょいっと奪ってしまいました。
義母が驚いた顔をしましたが、相手の女性は何事もなかったように去っていきました。
私が
「え、今の!」
と言うと義母は
「いいのよ。無理に言っても仕方ないから」
とここでも遠慮モード。
「でも、先に手にしていたの、お義母さんですよね?」
「いいの。揉めたくないから」
その言葉を聞いて思わず、
「お義母さん、前から思っていましたが、遠慮しすぎじゃないですか?」
と我慢できずに発言。
自分の気持ちを伝えることは大事
「自分の気持ちを伝えることは、揉めることとは違いますよ。別に怒鳴ったりしなくて良いんです、『それ私が先でした』って言うだけでよかったんじゃないですか?」
義母は
「そうね、ずっと波風立てないように生きてきたのかも」
「でも、今の時代はそれじゃ通じないこともあるのね」
と言いました。
「はい。時には『それは違う』ってちゃんと言わないと。お義母さん、ちゃんと自分を大切にしてほしいです」
後日スーパーで義母が驚きの行動を!?
後日、再びスーパーで。
私と義母は、レジで高齢の女性の後ろに並んでいました。
するとその高齢女性の前に、若い女性客がスッと割り込んだのです。
高齢女性は驚いた顔をしたものの、何も言えずにいました。
すると義母が、一歩前に出て、割り込んだ若い女性客に
「すみません、この方、先に並んでいらっしゃいましたよ」
はっきりと、でも丁寧に言いました。
小さな声でも、人を守れることがある
若い女性客は
「えっ?」
と一瞬たじろいでから、すぐに
「あ、すみません」
と列を離れました。
前にいた高齢女性が、小さな声で「ありがとうね」と義母に言いました。
「お義母さん、すごいです」
私が言うと
「最近、あなたと話してて思ったの。黙っている優しさもあるけれど、声をかける優しさもあるって」
静かで控えめだった義母が、誰かのために、自分の声を使ったこと。
小さな声でも、人を守れることがある。それを、私は義母の背中から学んだのでした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。