小学4年生の息子の友だちが、わが家にお泊まりにきたある夜。ちょっと背伸びした“おもてなし”に、子どもたちのテンションは最高潮。その食卓で起きた、まさかの“勘違い”とは? 筆者の友人が体験談を語ってくれました。

息子の「おもてなし魂」が炸裂!

小学4年生の息子の友だち、Aくんが泊まりに来た日のこと。

うれしさ全開の息子は、おもてなしにやたら気合いを入れていました。

「箸置き、出して!」「お茶は温かいのがいいかな」と、私にいろいろ指示してきます。

まあ、楽しみにしていたんだろうなと思いながら、私は言われるがままにお茶をいれ、いつもは使わない箸置きを出して食卓に並べました。

「Aくん、これ箸置きね」と置くと、Aくんは照れくさそうに「ありがとうございます」と言って、使っていた箸をその上に置きました。

なぜかお箸を使わないAくん

……が、Aくんはその後、箸を一切使いません。

代わりに手にしていたのは、なぜか爪楊枝。それで唐揚げを突き刺し、パクッ。さらに器用に野菜まで刺して食べています。

「お箸、苦手なのかな?」とふと心配になったそのとき。

Aくんは恥ずかしそうに私に言いました。

「お箸使っていいですか?」と。

私は「もちろんいいよ?」と答えました。

するとAくんは、「箸置きって、ここに箸をずっと置いといてくださいって意味かと思った。使ったらダメなのかなって」

私は思わず吹き出してしまいました。

「箸、使ってもいいですか?」勘違いの理由

「大丈夫! 使っていいよ。食事のときは途中でお箸を置いて休ませるところって意味なの」

そう言うと、Aくんは真っ赤な顔で「そうなんだ!」と、安心したように箸を手に取りました。

息子はというと、ニヤニヤしながら「A、まじめすぎ!」と茶化していたけど、そのやりとりがとても微笑ましかったのです。

勘違いって、恥ずかしいけどかわいい。Aくんの律儀さも、とてもかわいらしく見えました。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。