これは筆者自身の体験談です。家族で花火大会に行ったとき、4歳の息子が花火よりも屋台に夢中になり、私は少し残念に思っていました。しかし、それには息子なりの理由があったのです。
息子の気遣いに心が温かくなり、親子で楽しむことの大切さを改めて実感した出来事です。

息子と一緒に楽しむ花火大会

先日、家族で花火大会に行きました。私自身、毎年楽しみにしている行事。「今年こそは4歳の息子にも花火の感動を味わってほしい」と思っていました。会場に着くと、夜空に大輪の花火が次々と咲き始めます。私は思わず「きれいだね! 見に来てよかったね!」と息子に話しかけました。ところが、息子は花火よりも屋台に夢中。「そんなことより屋台見に行こうよ!」と、まさに花より団子。内心では「まだ花火の良さはわからないか…」と少し残念に思いました。

思わぬ息子の気遣い

そこで気持ちを切り替え、「何が食べたい?」と聞くと、意外な答えが返ってきました。「今日はママの好きなのを買いたい!」と言うのです。驚いて「どうして?」と聞くと、息子はにっこり笑って言いました。「ママの好きな花火を、ママの好きな食べ物を食べながら見たら、ママ最高でしょ? 今日はママが楽しみにしてた日だから、ママに思いっきり楽しんでほしいの」
その言葉に胸がいっぱいになり、思わず目頭が熱くなりました。

親としての気づき

私はその瞬間、ハッとしました。花火を見せることに夢中で、息子と同じ目線で楽しむことを少し忘れていたのかもしれません。子どもは花火より屋台が好きでもいいし、何より私が楽しむ姿を見せることが、息子にとっても一番の思い出になるのだと気づきました。親として「子どもに何かを感じさせたい」と思う気持ちも大事ですが、それ以上に、親自身が心から楽しむ姿を見せることが、子どもの心を動かすのだと思います。

親子で成長する花火大会

帰り道、息子と手をつなぎながら「来年は一緒に花火も見ようね」と話しました。子育ては思い通りにいかないことの連続ですが、親も子どもも一緒に成長していくもの。焦らず、今の気持ちや関係を大切にしていこうと改めて感じた夜でした。この経験を通じて、親子のコミュニケーションがどれほど大切かを実感しました。そして、来年は息子と一緒に花火を楽しみ、もっと心から喜びを分かち合いたいと思います。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。