これは筆者自身の体験です。通勤バスで起きたちょっとした出来事から、私は周りの人々の温かさに触れることができました。突然の気遣いや手助けに対してどう対応すべきか戸惑いながらも、最終的に他者の支えが心を軽くしてくれたことに気づいた瞬間でした。

通勤中に起きたちょっとした出来事

ある日の通勤中、私は普段通りのバスに乗っていました。混雑したバスの中、隣に座った女性が突然話しかけてきました。
「最近、肩が凝っているんじゃないですか?」
一瞬驚いたものの、普段何も感じていなかったので、軽く頷いて「大丈夫です」と答えました。しかし、彼女は続けて言いました。
「肩を温めた方がいいかもしれませんね」
私は少し戸惑いながらも、再度「本当に大丈夫です」と答えました。特に肩に問題があったわけでもなかったので、その提案には少し驚きました。

親切心と、パーソナルスペース

その女性はさらに「温かいものでも貸してあげようか?」とまで言い出しました。彼女は純粋な親切心で言っているのだと分かっていましたが、突然の提案に私は少し困ってしまいました。自分のパーソナルスペースに踏み込まれている感覚があり、どう返答すれば良いかわからなくなったのです。
その時、近くに座っていた男性が私たちの会話に気づき、穏やかな口調で声をかけてくれました。
「失礼かもしれませんが、少し圧力を感じる方もいらっしゃるかもしれませんよ」
男性の言葉は、私への配慮と、その女性への気づかいが感じられるものでした。その一言に、女性は自分の行動が相手を困らせているかもしれないと気づき、手を引っ込めて少し照れくさそうに席を立ちました。

助けてくれる誰かがいる安心感

その男性は、私に向かって微笑んで言いました。
「ごめんなさいね、気にしないでください」
その言葉が心に響き、私は一気に安心感を得ることができました。バスの中で感じた不安が、一瞬で消え去ったのです。その後も、普通に通勤を続けることができました。
振り返ると、その男性の一言がなければ、私はずっとモヤモヤとした気持ちを抱えたままだったかもしれません。しかし、誰かがサポートしてくれることで、心が軽くなり、その後の時間も穏やかに過ごせたのです。

周りの人のサポートがもたらす安心感

この出来事から学んだのは、周りの人々が気づかないうちに助けてくれていることがあるということです。誰かが自分をサポートしてくれることで、不安や困難が解消されることがあるのだと強く感じました。
私たちは知らず知らずのうちに他の人と関わり、時には無意識にサポートし合っているのだと思います。その大切さを再認識し、今後も他の人に優しく手を差し伸べることを忘れないようにしようと思います。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。