筆者の知人Aさんは、自分の顔にコンプレックスを抱えて生きていました。顔のせいで何もかもがうまくいかないと思っていたAさんですが、そんなAさんを前向きにしてくれたのが、幼馴染の友人Tさんの言葉でした。ずっと抱えていたコンプレックスを吹き飛ばしてくれた友人の言葉とはどのようなものだったのでしょうか。

私の人生うまくいかないのは顔のせい!

Aさんは思春期の頃から、自分の顔が大嫌いでした。「こんな顔に生まれたせいで恋だってできないし、何もかもがうまくいかないんだ!」と思い込み、大きなコンプレックスを抱えていたのです。

第一志望の学校に受からなかったのも顔のせい、バイト先が決まらないのも顔のせい、イベントに誘ってもらえないのも顔のせい……。

こんな風に何か嫌なことがあると、それをすべて顔のせいだと思ってAさんは生きてきたのでした。

幼馴染に悩みを相談

大学生になったAさんは、久しぶりに幼馴染のTさんに会いました。

毎日顔を合わせていた頃には打ち明けられなかったコンプレックス。気を許した相手に久しぶりに会ったからなのか、Aさんは自分のコンプレックスについてTさんに打ち明けてみたのです。

「顔のせいで何もかもがうまくいかない。整形するためにお金を貯めてる」

Aさんの長くて後ろ向きな話をTさんは黙って聞いてくれました。

「応援できない」幼馴染のまさかの反応

コンプレックスを打ち明けたAさんは、Tさんが励まし慰めてくれるものだと思っていました。しかし、Tさんから出たのは「応援することはできない」というまさかの言葉だったのです。

「整形するのがダメじゃないけど、今できる努力をしてないでうじうじしてるAのこと応援はできないよ!」

TさんはAさんに対して怒っていました。そして「ほら! できる努力をしようよ! 整形する日を待つんじゃなくて今できることやってみよう!」と言って、ドラッグストアに連れ出してくれたのです。

幼馴染のおかげで前向きになれました

メイク道具をたくさん買ってきたAさんたち。TさんはAさんのコンプレックスをカバーできるメイクを教えてくれました。

Tさんにメイクされた顔を見たAさんは驚きます。

「自分の顔じゃないみたい!」

Tさんは得意げに「でしょ! メイクで顔って変えられるんだよ!」と語りました。

メイクで顔が変わったことも嬉しかったAさんですが、Tさんが一緒にコンプレックスについて考えてくれたおかげで、前向きな気持ちになることができたのです。

数年が経った今、Aさんはまだ整形はしていません。でも、できる努力を続け、今ではメイクについてSNSで発信する側に。ずっと抱えてきたコンプレックスは薄れているそうです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。