今回は、知人のA子さんに聞いた、義実家との心あたたまる関係についての物語をご紹介します。義母との距離に悩んだ日々を乗り越え、今では“本当の親子以上”になったという、ある日の出来事です。

最初はぎこちない距離感

結婚して初めての義実家訪問は、緊張で足が震えました。
義母は優しい人ですが、やっぱりどこか“他人の家”という感覚が抜けず、話す内容も気を使ってばかり。
帰るたびに「疲れたなあ……」と思ってしまう自分が嫌で、夫にも本音を言えませんでした。

義母の一言が変えた空気

そんなある日、義実家で夕食を囲んでいたときのことです。
いつものように料理を運んでいたら、義母がぽつりと「ほんと、うちの嫁が一番働き者よね」と言ったのです。
私が驚いて顔を上げると、義母はにっこり笑って「あなたが来てくれて、本当によかった」と。
たったそれだけの言葉なのに、胸の奥がぎゅっとなって、涙がこぼれそうになりました。

少しずつ、本当の家族に

その日から、私は義母との会話で変に気を張ることがなくなりました。
わからないことは素直に聞けるようになり、義母も嬉しそうに教えてくれるようになりました。
私が体調を崩したときは、義母の方から「大丈夫? ごはん持っていこうか?」と連絡をくれて、本当の母のように心配してくれたのが嬉しかったです。

「ありがとう」が自然に言える関係に

今では、義母の誕生日に私からサプライズの花束を贈るほどの仲です。
義実家に行くのが憂うつだったあの頃の自分に、「大丈夫、ちゃんと心は通い合うようになるよ」と教えてあげたいです。
血の繋がりがなくても、心は繋がるんだと、今なら胸を張って言えます。
あの日の「うちの嫁が一番」の一言が、私の背中をそっと押してくれたんです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。