言葉も通じず不安が募るなか、思いがけない人物が手を差し伸べてくれました。
今回は筆者の知人から聞いた、海外で経験したトラブルによって素敵な人と出会えた心温まるエピソードをご紹介します。
トゥクトゥク
私はお金を貯めて1人で海外旅行に行くことが趣味。
そのときも、夏の連休中に東南アジアへ気ままな1人旅に出かけていました。
観光名所ともなっていた市場帰り、ホテルに帰るため、観光用のトゥクトゥクを拾った私。
乗る前にきちんと
「いくら?」
と確認してから乗車したつもりだったのですが……。
ホテル近くに到着後、運転手から請求されたのはその3倍もの金額だったのです!
トラブル
「最初に聞いた値段と違う!」
と抗議しても、運転手は
「私英語分からないから」
と取り合ってくれません。
それも、つい先ほどまではカタコトなりにも英語を話せていたはずなのに、急に早口の現地語で詰め寄ってくる男性運転手。
もちろんトゥクトゥクの運転手が全員人を騙すわけではありません。たまたま運が悪かったのか『完全に詐欺にあった!』と落胆しましたが、ホテル近くとはいえ初めて訪れた見知らぬ土地。
“とにかくたくさん金を出せ”と言わんばかりに睨んでくる運転手の怖さも相まって『もう要求通り払ってしまおうか』とも考えていると……。
救世主
近くのカフェにいた1人の若者がこちらに気づき、歩み寄ってきたのです。
「何かトラブルですか?」
と流暢な英語で話す男性。
事情を説明すると、彼は運転手に現地語で交渉を始めてくれました。
会話は早口で分からなかったものの、最後に彼が
「本来の料金で大丈夫ですって」
と笑顔で伝えてくれたのです!
支払い後にお礼を言うと、
「旅行者が嫌な思いをすると、国の印象も悪くなるから」
とニッコリする男性。
その一言がとても嬉しくて、思わず胸が熱くなりました。
見習いたい!
見知らぬ土地に行った観光客にとっては、たった1人の行動が、旅の印象を大きく変えることにつながります。
『困っている人を見かけたら自分もこんなふうに動ける大人でありたい』と思った出来事でした。
【体験者:20代・女性自営業、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。