心配する母が向き合い続けた結果、たどり着いた言葉と対策とは──。
今回は筆者の知人から聞いた、子育てにまつわるエピソードをご紹介します。
SNS
数か月前、小学4年生の娘が10歳の誕生日を迎え、お祝いとしてスマホをプレゼントしました。
ずっと欲しがっていた娘の喜ぶ笑顔が見られて、ほっこりしていた私。
娘はその後すぐに友達に誘われてSNSを始めました。
はじめは思いのままにたくさん投稿し、友達とのやりとりを楽しんでいた娘だったのですが……。
徐々にスマホを操作する時間が増え、“いいね”の数にこだわるようになっていったのです。
「今日は10個だけ」
「友達は15個ももらっているのに」
“いいね”
そんな娘を心配していた矢先、
「誰も“いいね”してくれない」
とある日泣き出し、スマホを投げてしまったのです!
どうやらまだ投稿して30分しか経っていないようだったので、
「みんな忙しくて見ていないだけよ」
とフォローするも拗ねてしまった娘。
「いつも最低3個は“いいね”がくるもん」
「私のこと仲間外れにしようとしているのかも……」
娘の嘆きを聞いてようやく、SNSの世界は大人でも子どもでも等しく複雑で、娘がかなりストレスを感じていると気づいた私。
娘の心に孤独や不安が芽生えているのだと思うと、胸が痛みました。
話し合い
そこで娘とスマホの使い方についてじっくり話し合ってみることに。
『SNSは楽しいものだし、評価されることで心が揺れることも自然なこと』だと伝えた上で、無理に“いいね”を追い求める必要はないと話しました。
いいねの数だけで、本人の良さや人柄は決まりません。
その後、スマホを使う時間の制限を設け、投稿も本人が本当に伝えたいことだけに絞るという約束をしました。
その分リアルな友達や家族との交流を増やすように促し、“いいね”の数よりも、実際に心を通わせることの大切さを伝えたのです。
学び
その結果、娘は少しずつ笑顔を取り戻し、SNSを適度に楽しめるようになっています。
この出来事は、現代の子育てにおいてSNSとの付き合い方を考えるきっかけになりました。
今回の出来事は、スマホやSNSは便利だけれど、使い方を間違えれば子どもの心を深く傷つけることがあると教えてくれました。親として、子どもがデジタル社会を生き抜く力を身につけられるよう、今後も対話を続けていきたいと思っています。
【体験者:30代・女性公務員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。